サンキング開発ヒストリー

  • (その5 化粧品乳化技術の天才)

鈴木がこの世界特許技術ラメラテクノロジーからなる乳化技術を完成させる以前に父が言った印象的な言葉があります。
「研究者たちのこれからの課題は表皮脂質とそっくりの構造を持つクリームを開発する事だ。まさに21世紀の化粧品になる」

「表皮脂質」、それは初めて聞く言葉でした。

「理想のクリームというものがあるとしたら『人間の皮膚に分泌される皮脂こそが理想の天然のクリーム』だ。 そう思って多くの研究者たちは長い間、こぞって皮脂類似のクリーム開発に注力してきた。 ところが子供の皮膚から皮脂はほとんど検出されていない。 にも関わらず子供の肌はみずみずしくハリがある。この事実に鈴木と自分は常々矛盾を感じていた。
そして我々はその研究の結果、毛穴から排出される皮脂とは異なる油の存在に気づいた。 それこそが肌にとって大切な働きをする表皮細胞の作り出す脂、つまり表皮脂質=細胞間脂質(注)である」

父たちは単なる皮脂ではなく『表皮脂質こそ理想のクリームである』と言う結論に至りました。

鈴木の液晶乳化組成物の製造法「ラメラテクノロジー」の完成はそれからほどなくしてでした。 ある日父が興奮した面持ちで僕のところにひとつの容器を持って現れました。 「これ見てみろ!鈴木が物凄いクリームを開発した!あいつはまさに天才だ!」 そのクリームこそが表皮脂質=細胞間脂質とそっくりの構造を持つものでした。

鈴木喬はこの乳化技術開発に発想から15年近い月日を費やしました。 それは鈴木と父が世界初の敏感肌用化粧品開発から25年目の夏。
山崎まさよしが「月明かりに照らされて」でデビューする1ヶ月前の事でした。

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注)細胞間脂質=主成分はセラミド、遊離コレステロール、遊離脂肪酸からなる。

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