サンキング開発ヒストリー

  • (その11 Sun King の完成! )

まず、肌に優しい植物成分や安全性の高い基材等、そして紫外線ブロックのために最小限の紫外線吸収剤と散乱剤を鈴木に厳選してもらいました。 成分の配合こそ化粧品開発者の「妙」と言えます。

肌の安全性やテクスチャーを考え、いかに配合する成分同士のバランスを保つか、その業は料理の達人のように芸術的ですらあります。 どんなに素材が良くても料理人の腕次第で料理の味は変わってしまいます。

同じく、これはレコーディング・トラックに入れた楽器や声をひとつの音にまとめあげるエンジニアの作業とも似ています。 どんなにひとつひとつの音が素晴らしくても、エンジニアのセンスと技術が無くては、ベストの音は生まれません。 いろんな行程が進むにつれ、化粧品開発研究50年のキャリアと実績を誇り、うちの父親に天才とまで言わしめた鈴木の化粧品開発技術があってこそ、 これまでにない日焼け用ローションが出来ると僕は確信しました。 そんな中、紫外線A波をブロックするために鈴木が世界特許を取得したラメラテクノロジーを活用してもらう事を僕は提案しました。

 

なぜなら現在の皮膚医学の見解からしてもサンスクリーン剤で紫外線A波をどれだけ妨げる事が出来るのかはまだはっきりしていないからです。 ゆえに真皮層まで深く透過する紫外線A波のダメージを有効に防ぐにはまず肌を乾燥させない事が考えられます。 鈴木の世界特許技術ラメラテクノロジーでその成分は肌に馴染みやすく肌の潤いを長く保ち乾燥を防ぎます。 肌の潤いを長く保つ技術、それは表皮細胞、細胞間脂質と類似の構造を持つ乳化法、ラメラテクノロジーに他なりません。 鈴木は僕の提案を受け入れてくれると共に、ラメラテクノロジーを応用、日焼け用ローションであるにもかかわらず測定値PA+の指数を弾き出しました。

そして勿論、紫外線B波を肌から守るためにもA波同様、IN VITRO そしてIN VIVOで測定し、SPF4と言う数値を選びました。 この数値は急激に紫外線を浴びても肌への負担を最小限守るものだと言う考えからの目安からです。

【ここでちょっとSPFについて触れてみたいと思います】
SPFと言う概念を父とフィッツパトリック教授が研究していた60年代後半、父たちはこのSPFにおける数値1=30分間紫外線からブロックすると言うよう指数測定したそうです。 しかし人間の皮膚には人種によっても個体差があります。 黄色人種ではSPF1が20分から30分の紫外線防護係数標準ですが白人においては5分から10分の防護機能しか持たないと言われていたそうです。 まして人体的にメラニンを多く持つ黒人は紫外線をブロックする時間が長くSPF1であっても100分から200分の紫外線防護係数で測定できたそうです。 勿論、紫外線の強さ弱さは季節によっても地域によっても違います。

父たちがSPFの概念を発表してから40数年、現在SPF1と言う数字は20分で設定されているようですがこれは黄色人種と白人の紫外線防護係数の平均目安数値のようです。 人の肌は同じ人種であっても100人100様ですからSPFと言う数値はあくまで個人の目安にする方が良いのではかと僕は思います。 SPF4と言う数字は時間から計算すると20分 × 4=80分です。つまり、80分間、紫外線から肌を守ってくれるという数値です。

父に言わせると、「どうしても夏に日焼けしたいなら、日焼けとうまく付き合うべきだ。 日に当たるのは1日あたり合計で3時間は超えてはならないと言うのが目安だがこれも個体差がある。

まず、太陽光線の強い10時〜14時の時間帯は避けるべき。サンスクリーン剤を身体に塗布して1回20分以内を目安に日を浴び、 その後は木陰か屋根の下に入り20分程紫外線を避けクールダウン、それを1日4〜5回(計80分程度)ほど繰り返しながら、 日々ゆっくり焼いて行く事を勧める。しかしその日の天候気温体調もあるからあくまでこれも目安」との事です。


やがて、鈴木の技術、その成分の配合量技術の安全性の技は僕の確信どおり新たな日焼け用ローションの開発に繋がりました。 日焼け用ローション、それは鈴木が1966年にS社で開発したサンオイルの究極の進化版と言えます。 しかし以前のものと大きくコンセプトが違っています。 なぜなら日焼け用ではありますが、紫外線を浴びることを推奨するためのローションではありません。 紫外線の害が定着した現代ですが、それでも褐色の肌への憧れに根強いものがあります。

そんな中、フェスとともに夏を楽しく満喫していただくためのアイテムとして「それでも焼きたいあなたへ」というのがこのローションのテーマです。 無防備に夏の戸外で肌をさらしてしまう方たちへのせめてもの提案だと思ってください。 紫外線A波(PA +)、B波(SPF 4)を最小限ブロック、 肌を守りながら焼く事の出来る、そんなコンセプトのもと考えられたのが今回の日焼け用ローションです。

ラメラテクノロジーの乳化技術で作られたこのローションは乾燥によるダメージを防ぎ、少量で非常に伸びが良く満遍なく肌に塗布出来ます。 これによってムラなく肌を守りながら小麦色に焼く事が出来ます。

このA波、B波をブロックしながら日焼けするローションを僕は「Sun King」と名付けました。 ビートルズの曲のタイトルからヒントを得ました。 ビートルズは他にも「Here Comes The Sun」「I'll Follow The Sun」「Good Day Sunshine」と言う太陽を賞賛した前向きな歌があります。 やはりイギリス人の彼らにとって太陽光を浴びると言うのは重要で当たり前の習慣なのでしょう。

今回、僕のわがままな提案や突拍子も無いアイデアを具現化してくれた鈴木喬と言う化粧品開発者はどこかうちのアーティスト達と被ります。 スタジオでアーティストやミュージシャン、エンジニアにアレンジやミックスダウンで無理難題を押し付けている僕の様は、 皮膚臨床薬理研究所のラボで鈴木や伊藤にテクスチュアーがどうの、香りがどうのと言いたい放題言っている僕と同じです。

そして「Sun King」と言う商品名を強引に決めてしまうそれも、時にアーティスト達を無視して曲名タイトルを決めてしまう自分のようで 反省しつつもちょっと快感だったりします。 モノを作る、発想するって作業、化粧品もまたエンターテインメントの一部なんだと思いました。

続きは次回にて→
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